オープン就労とクローズ就労、そして「合理的配慮」について知っておきたいこと - 福岡県・熊本県の障がい者就労移行支援事業所 ティオ大牟田築町・ティオくまもと新市街

オープン就労とクローズ就労、そして「合理的配慮」について知っておきたいこと

「開示するべきか、しないべきか」その悩みについて

「障害のことを職場に伝えるべきか、隠したまま働くべきか」――就職活動を進める中で、多くの方がこの選択に悩みます。

「伝えたら採用されにくくなるのでは」
「隠したまま働いて、後でバレたらどうしよう」
「配慮してほしいけれど、どう伝えればいいのか分からない」

この悩みには、正解が一つあるわけではありません。今回は、「オープン就労」「クローズ就労」という二つの働き方の違いと、それに深く関わる「合理的配慮」という制度について、できるだけ分かりやすく整理してみたいと思います。

オープン就労とは

オープン就労とは、障害があることを企業に開示したうえで、障害者雇用枠として働く方法です。応募には、原則として障害者手帳が必要になります。

企業側もあらかじめ障害のある方の採用を前提に環境を整えているため、通院への配慮や業務内容の調整など、必要なサポートを受けやすいことが特徴です。ハローワークの専門援助窓口や、障害者専用の求人など、専用のルートを通じて就職活動を進めることになります。

一方で、障害者雇用枠は定型的な事務職が中心になりやすく、一般枠と比べると職種の選択肢が限られる傾向がある点も、知っておきたいポイントです。

クローズ就労とは

クローズ就労とは、障害があることを開示せず、一般枠として働く方法です。障害者手帳の有無にかかわらず、一般の求人に応募することができ、職種や求人数の選択肢は広がります。

ただし、障害を伝えていない分、周囲からの理解や配慮を得ることが難しく、体調管理や業務量の調整をすべて自分自身で行う必要があります。障害を開示する法律上の義務はありませんが、その分「セーフティネットの少なさ」と隣り合わせの働き方でもあります。

「合理的配慮」とは何か

ここで欠かせないのが「合理的配慮」という考え方です。合理的配慮とは、障害のある方が働くうえで直面する社会的な障壁を取り除くために、企業が過重な負担にならない範囲で行う調整のことを指します。

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

– 業務指示を口頭だけでなく、文書やメモでも伝える
– 通院のために勤務時間を調整する
– 静かな環境で作業できるよう、座席の配置を工夫する
– 一度に伝える指示の量を減らし、段階的に伝える

こうした配慮は、障害の種類や職場環境によって内容が異なります。「これをすれば正解」という一律の答えがあるわけではなく、本人と企業が対話を重ねながら、その都度、適切な形を探っていくことが大切にされています。

合理的配慮は「義務」になっています

以前は、企業による合理的配慮の提供は努力義務にとどまる場面もありましたが、法律の改正によって状況が変わりました。障害者雇用の分野ではすでに法的義務とされており、さらに2024年4月からは、障害者差別解消法の改正により、雇用に限らず民間事業者全体においても合理的配慮の提供が法的義務となりました。

つまり、オープン就労であってもクローズ就労であっても、「配慮をお願いすること」自体は、決して特別なわがままではなく、制度として認められた権利だということです。ただし、クローズ就労の場合は障害を開示していない以上、配慮を求める前提として、まず状況を伝えるところから始める必要があります。

## >> どちらが正しい、ということではありません

オープン就労とクローズ就労、どちらが優れているということはありません。大切なのは、ご自身の障害特性や体調、働くうえで大事にしたいことに合わせて選ぶことです。

「配慮を受けながら、無理のないペースで長く働きたい」という方にはオープン就労が合うことが多く、「これまでのキャリアを活かして、職種の幅を広げたい」という方にはクローズ就労が選択肢になることもあります。また、最初はクローズで働き始め、体調や状況に応じて後から開示する「中途開示」という選択肢もあります。

新市街では、一緒に考えていきます

新市街では、オープン就労・クローズ就労のどちらが合っているかを一方的に決めるのではなく、これまでの経験や体調、大切にしたい価値観を丁寧にうかがいながら、一緒に考えていきます。

合理的配慮の伝え方や、企業との対話の進め方についても、実際の訓練や面談の中で練習する機会を設けています。「配慮をお願いすることに慣れていない」という方も、少しずつ、自分の言葉で伝えられるようになるまで、丁寧に伴走していきます。

働き方に迷っている方は、まずはその迷いをそのまま、私たちにお聞かせください。あなたに合った選択を、一緒に探していきます。

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